Volume 8 STORY第8巻

Episode 31
第31話「微笑み」

ウォール・シーナ城壁都市のストヘス区。
エレンが王都にドナられる話は、すでに壁の中心地にも伝わっていた。

アニは憲兵団宿舎のベッドでアンニュイな朝を迎えていた。

ああ、日差しが眩しい・・・

少し遅れて新兵の班に合流する。
同室の元風俗嬢はアニの寝顔があまりにかわいくて、嫉妬で起こさなかったようだ。

そこに上官が現れ、調査兵団の護送団がストヘス区の中央通りを通ることを伝えられ、これを立体機動装置を使用して、並走しながら警護しろと命令が下る。

新兵の一人のマルロが「王政に逆らう者などいないのに、一体何から護衛するのか」と問う。
それにいたく感銘を受けた上官は「お前に任せた!オレたちは忙しいからな!」と言ってフルムーンパーティーに戻っていった。

新兵たちのほとんどは、自分たちに仕事を押し付けてレイヴしている上官たちを羨ましく思っていた。
しかしマルロは「オレは憲兵団を一部上場にするためにここに来た」と言う。

「そのためには上に立つ以外ないだろ。上に立ったら上場基準を満たすためにしっかり働いてもらう」
「経費でランチを食べたり、備品を持ち帰ったりした奴らには、相応の報いを受けさせる」
「恥を知ってもらう。理性が無いってことはガンジャをキメてる奴らと変わりないからな」
「普通の人間に戻す。人本来の正しい姿にな」

マルロのザ・ジャスティス発言に新兵たちは笑うか呆れるかだったが、アニは疑問を投げかける。
「あんたみたいな「おかっぱ」が体制を占めちまったら、それこそおしまいだと思うけどね・・・」
「あんたは正しい人だと思う。大きな流れに逆らうのはとても勇気がいることだから。」
「明らかなのは、そういう人は珍しいってこと。一般的でも普通でも凡人でもない、酔狂人と呼ばれる」

アニは分かっている。
ご都合主義で周りや権力に迎合する人間を凡人、あるいはバカ、またはクズと呼ばれることを知っているし、実際にそういう人間がクズであることを分かっている。
でも、それも普通の「人間の姿」なのではないかと。そんなクズでも人間だと思われたいのだと。

周りにいる「今の話」で言うところのクズの新兵どもはアニの考えを嘲笑したが、マルロだけは違った。
『「みんな仲良くいっしょにね」を前提とした仕組みに問題があるのなら、変わるべきは人じゃなくて仕組みの方なのか・・・』

そして任務に向かう新兵たち。その時、誰かがアニを呼び止める。

アニ「アルミン・・・」

アルミンは荷運び人のコスプレをして立っていた。雨具で立体機動装置を隠している。
雨は降っていない。雨具とは一体何なのか。

そしてアルミンはアニにエレンを逃がすための協力を依頼する。
一時的に身を隠して審議会勢力をひっくり返すだけの材料を集める時間を稼ぐためにエレンの身を隠す必要がある。
今エレンを王都に渡すわけにいかないからだ。

その『材料』の根拠を問われたアルミンは困惑した表情で「ごめん、言えない」と返した。
アニは一瞬何かを考えたようだが「黙っといてやるから勝手に頑張んな」とその場を立ち去ろうとする。

アルミンは説得を続ける。
「このままじゃエレンは一糸纏わぬ姿で慰み者にされてしまう。テクノの終わりはムーヴメントの終わりだ。人類は破滅の道を進もうとしている」
「もう大きな賭けをするしかないんだ。ウォール・シーナ内のIDチェックを抜けるにはどうしても憲兵団の力が必要なんだ」

・・・

アニ「あんたさ、私が貧乳に見える?」

アルミン「貧乳か・・・その言い方はあまり好きじゃないんだ。だってそれって、巨乳好きな人が小さいおっぱいをディスってそう呼んでるだけのような気がするから」
「すべての人にとっていいおっぱいの人なんていないと思う。誰かにとって魅力的でも、誰かにとってはそうじゃない場合もあるだろうし」
「だから、アニがこの話に乗ってくれなかったら・・・アニは僕にとって魅力の無いおっぱいの人になるね・・・」

しばしの無言。そしてアニは「い、い、いいよ・・・ののの、乗った」と手を震わせた。

アルミン、エレン、ミカサは荷馬車から抜け出し、みんなでコスプレをしてアニに先導してもらい街を抜けようとしていた。
エレンとそっくりのシリアルキラーフェイスのジャンを影武者にして。

そして4人はメトロの入口に到着する。過去の交通整備計画の遺物だ。地上を歩くより地下に入る方が安全と考え、階段を下りていく。
しかしアニは立ち止まり、「そっちは怖い」と言って下りてこようとしない。

アニ「あんたみたいな勇敢な死に急ぎ野郎には、貧乳の乙女の気持ちなんて分からないだろうさ」
エレン「あんな痛い下段回転蹴り当てをするやつに貧乳も乙女もクソもねぇよ。バカ言ってんなよまったく・・・」
アニ「いいや行かない。地上を行かないなら協力しないもん」

アニは周りに全く人がいないという異変に気付いていた。
「傷つくよ、、アルミン、一体いつから私をそんな目で見るようになったの?」

アルミンはアニに、パナえんどう事件のあとの立体機動装置の検査を受けたときのことを問う。
「アニ、何で、マルコの立体機動装置を持ってたの?」

「拾った」と答えるアニに、さらに問いかける。
「じゃあ、生け捕りにした2体の巨人はアニが殺したの?」

アニ「さぁ、でも1か月前にそう思っていたんなら、何でその時に行動しなかったの?」

アルミン「今だって信じられないよ。きっと何かの見間違いだって思いたくて・・・」 「でも、アニだって"あの時"僕を殺さなかったから、今・・・こんなことになってるんじゃないか」

そう、あの壁外調査の時。

アニ「心底そう思うよ。まさかあんたにここまで追いつめられるなんてね。あの時、、何で、だろうね・・・」

エレンは逼迫し様子でアニに怒鳴りつける。
「この地下に入るだけで証明できることがあるんだ!こっちに来い!」

しかし、アニは静かに拒んだ。

アルミンは「僕達はまだ話し合うことができる!」と説得を試みる。

しかしミカサはすでにデストロイ・アンチェインドモードに入っていた。
「もういい、これ以上聞いてられない」
「不毛・・・」

コスプレを脱ぎ捨て剣を抜く。

「もう一度ズタズタに削いでやる」

「女型の巨人」

アニがにやりと笑う。

「アルミン、私があんたのイイ体の人で良かったね。ひとまずあんたは賭けに勝った・・・」

「でも、私が賭けたのはここからだから」

そう言ってはアニはそのセクシーな口元に右手を近づけた。

Episode 32
第32話「慈悲」

アルミンはアニの抵抗する意思を察し、信煙弾を撃つ。
それを合図に町民に扮して身を潜めていた兵士たちがアニを取り押さえ、甘噛み防止のために猿ぐつわをする。

アニはエレンを凝視しながら指輪に仕込まれたブレードをフリックする。
それに気づいたミカサはエレンとアルミンを引っ張り素早く地下へ降りる。

アニがブレードで親指を傷つける。
そして巨大な閃光がきらめき、辺りを吹き飛ばした。

アニの巨人化を許してしまった。そう、アルミンの嘘は気づかれていた。
もっとやり方はあったかもしれないが、今は反省している時間は無い。

二次作戦を決行するため、三班と合流し女型の巨人と戦うしかない。エレンは巨人化して今度こそ女型の巨人を捕獲する。

三班が目の前に現れ合流しようとしたその時、天井が踏み抜かれ兵士を踏みつぶす。
アニは死に物狂いでエレンを奪うために、エレンがダイジョブ系であることに賭けて、踏み抜いたのだ。

外へ出ればその瞬間を狙われ、こことに留まればいつかは踏み潰されてしまう。

エレンは砲弾シェイクハンドの再現で事態を切り抜けようと考え、アルミンとミカサを抱き寄せ右手に噛みつく。
しかし巨人になることはできなかった。

アルミン「目的がしっかり無いと巨人になれないんだっけ?もう一度イメージしよう、強く!
エレン「やってる・・・!けど、何でだ!」

ミカサは本当に怖い顔をしながらエレンにウィスパーする。

ミカサ「まだアニと戦うことを、、躊躇してるんじゃないの?」
「まさかこの期に及んで、アニが貧乳なのは気のせいかもしれないなんて思ってるの?」
「あなたはさっき目の前で何を見たの?」
「あなたの班員をポップコーンラブしたのはあの女でしょ?」

エレン「うるせぇな、、オレはやってるだろ!!」

エレンは再度右手を噛みちぎりながら壁外遠征から戻ったあとのことを回想していた。

……

………

エレンはリヴァイとコーヒーブレイクをしていた。
エルヴィンを待っているが、だいぶ時間が経っていた。

リヴァイ「エルヴィンの野郎共、、待たせやがって、憲兵が先に来ちまうぞ」
「大方、日ごろの趣味のせいでア○ルがトラブってんだろうな」

エレン「兵長、、今日は、、よく喋りますね」

リヴァイ「バカ言え。誰も話し相手になってくれないだけで、お話は大好きだ」

エレン「すみません、オレがあの時、選択を間違えなければ、こんなことに、、兵長にもケガまで、、」

リヴァイ「言っただろうが、結果は誰にも分からんと」

そこにエルヴィンたちが戻ってきた。アルミンとミカサもいる。
エルヴィンは開口一番、「女型の巨人と思わしき人物を見つけたよ」と言った。

目標はストヘス区で憲兵団に所属している。今度こそ女型の巨人を捕らえるために作戦を立てた。
決行日は明後日、その日にエレン達が王都に召集されることが決まった。

現状ではエレンの引き渡しは避けられない。そうなってしまえばレイヴの中止を企む連中をおびき出すこともできず、ひいてはムーブメント終焉の色が濃厚になっていく。

すべての危機を打開するための作戦。エレンを囮にして女型の巨人を捕らえることができれば召集の話はご破算になる。
そうすれば王都の意識も壁の防衛に向くだろう。これにすべてを賭ける。もう次はない。

女型の正体が特定できているのか?
それなら成功は固いのではないか?
エルヴィンは説明を続ける。

女型の巨人の正体を割り出したのは頭のいいアルミンだ。この作戦を立案したのも実に頭のいいアルミンだ。
女型の巨人に接触した本当に頭のいいアルミンの推察によれば、女型の巨人は君達104期訓練兵団である可能性があり、生け捕りにした2体の巨人を殺した犯人と思われる。

彼女の名は

『あのミニマム貧乳少女』

エレン「アニが、、貧乳?女型の巨人? 何でそう思うんだよ、、アルミン」
エレンは突然のことにアルミンの推察を信じることができなかった。

アルミンは、女型の巨人がエレンの顔を知っているだけでなく、同期でしか知り得ないエレンの本名「死に急ぎ野郎」に反応を見せた。
何より2体の巨人を殺したと思われるのがアニだと考えた。
高度な技術を必要とするため、殺害時には自分の立体機動装置を使って、検査時にはマルコの物を提示して追及を逃れたと思われる。

しかしそれ以外に根拠は無い。証拠もない
アニが貧乳で女型の巨人だと"思われる"という推察だけだ。

だがやるしかない。
何もしなければ、エレンが中央の慰み者になってしまうから。

エレンは証拠がないのにアニを疑って、捕らえようとしていることに難色を示した。
しかし、アニと聞いて思い当たることが無いかとミカサに問われ、女型の巨人のバストサイズを思い出していた。

………

……

ミカサ「分かっているんでしょ?アニが貧乳だってこと・・・」
「じゃあ、戦わなくちゃダメでしょ?」
「そ、それともぉ、何か、、特別な感情が妨げになってる、、とか・・・?」

エレン「ハァ?」

ミカサの乙女心を察してやりたいが、今はそれどころではないのでアルミンは知恵を絞って作戦を立てた。

アルミン「僕とミカサがアッチとコッチから同時にバッて出て、そうすればアニはどちらかに対応する」
「その隙にエレンはアニがいない方から逃げて!生身で戦闘に加わってはダメだ。女型の巨人は兵士で何とかするから」

エレン「それじゃあ、お前らどっちかがペチャパイになっちまうだろうが!」

アルミン「そこにいたって3人共ペチャンコだよ」

エレン「なんで、お前らは、、戦えるんだよ」

ミカサ「仕方ないでしょ?世界は、残酷なんだから」

アルミンとミカサの覚悟、世界は残酷だというひとつの真実。

「だよな」

エレンは再度、右手を噛む。

そしてエレンは巨人になり、貧乳の巨人・アニと戦闘を開始する。

Episode 33
第33話「壁」

離れた場所からも轟音が聞こえ、立ち上る蒸気が見える。
エルヴィンたちを護衛していた憲兵団のナイルも異変に気付く。

エルヴィンはぼそぼそとした口調でナイルに派兵を進言する。
ナイルはエルヴィンの様子から何かすごいやばいことをしているように感じたが全然聞き取れなかった。

街の中にある教会では黒いローブを着たおじさんが、ありがたい3つの壁をとてもありがたがっていた。
そのとてもありがたい壁の内のひとつはすでに破壊され、巨人の侵入を許してしまっているのだが。

信者たちが祈りを捧げているところに、あられもない姿の女型の巨人がひとりおしくらまんじゅうで天井を突き破ってきた。
そのはずみで教会の中にいた信者たちをたんたツルペッタンにしてしまう。

女型の巨人は壁を越えて逃げようと走り出す。
襲い掛かる兵士を退けながら走る女型の巨人にミカサが素早く斬りかかる。

さらに攻撃を仕掛けようとするミカサがだが、目の前は中山競馬場だった。
建物が無く、立体機動装置のアンカーを刺す場所がない。

そこに巨人化したエレンが現れ女型の後を追っていく。
追手の兵士が迂回をしている今、エレンと一対一の今が、エレンを攫う最後のチャンスのはずだ。
女型の巨人はムーンウォークをしながら立ち止まりエレンを睨む。

エレンも女型の巨人となったアニを見つめる。

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アニ・・・
お前は、、いつもダボダボの服を着て、体のラインが見えないようにしてたな・・・

そんなお前がウキウキしている時がある。
オレのスネを蹴るときだ。

父親の趣味に付き合わされただけだと言ってたけど、オレにはお前がそう思っているようには見えなかった・・・

お前は、おっぱいが小さいぶんスネが硬い奴だと、オレはそう思っていた・・・

お前、何のために戦ってるんだ?

どんな大義があって、人を殺せた?
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エレンはアニの体のアチコチの思い出を回想しながら格闘を開始する。

アニは卓越した格闘技術でエレンの脚や顔を膾(なます)にしてしまう。
エレンを一時的に戦闘不能に追い込み、その隙をついて指先を高質化しボルダーの無い壁をボルダリングして逃走する。

猛スピードで壁を登るアニにハンジ達は追いつけない。
逃げられてしまう。そう思った瞬間、ミカサがきりもみ回転しながら一気に40mゲインしてアニに追いつき右手の指を斬り落とす。

アルミン「届いた・・・」

アルミンの機転でエレンの本格派右腕の真骨頂、ジャイロハンドスローが火を噴いたのだ。

さらにミカサはアニの左手の指を斬り落とす。

エレン「アニ 落ちて」

恋敵かもしれない・・・あぁ腹が立つ・・・そんことを思ったか思わないか、アニの御尊顔を蹴手繰り、地表に落とす。

落下したアニはエレンに取り押さえられ、うなじからその体を引き剥がされようとしていた。
朦朧とする意識の中、アニは父親との言葉を思い出していた

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ひとつだけ頼みがある。

この世のすべての巨乳好きを敵に回したっていい。

この世のすべてからお前が貧乳扱いされることになっても、とーさんだけはお前の味方だ。

だから約束してくれ。

スポブラぐらいはするって。
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涙を流しながら目覚めたアニ。
激しく蒸気を発し、その体は透明な物体に包まれた。

ミカサは剥がれ落ちる壁がエレンに当たらないかとヒヤヒヤしていた。

そしてエレンを傷つけようとする不埒な壁に睨みを利かせようとした瞬間、その端正なクールビューティーフェイスから血の気が引いた。

壁の穴。そこに見えたのは巨大な巨人の顔だった。

Episode 34
第34話「戦士は踊る」

エレンが目を覚ますと、アルミンに後ろからぎゅっと抱きしめられていた。
カーン、カーンと田舎の消防団が近づく正月を知らせているようだ。すぐ近くで。

水晶体に覆われたアニは、巨人化解除の影響なのか、いつもの一つ結びが解けていた。
おろした髪もかわいい!

調査兵団のケイジ・ニコラスはアニを水晶体の中から取り出そうとして何度も剣を叩きつけていた。
しかし水晶体には傷一つつけることができない。
そしてなぜ彼がゴーストライダー役をやったのか、謎が謎を呼ぶばかりだ。

ハンジは焦っていた。せっかく追いつめたアニは超合金Zより硬い水晶体に覆われてしまった。これでは生きているかも分からない。
多くの犠牲を出し、謎ばかりを残して、このまま何の情報も得られなかったら・・・

ミカサは壁の中の巨人から目が離せないでいた。そして巨人の目が動き、ミカサの引き締まった腹斜筋を見つめている。

どんがらがっしゃーん!

アニがボルダリングで壊した壁の破片が落下してきている。
未だに降りてこない、ミカサを見上げた時、ミカサの近く、壁に開いた穴、そしてそんなところにいるはずもないのに。

すぐに周りの兵士たちもその"壁の中の巨人"に気付く。
ハンジは頭がくぐらけちゃっていた。

「え、何、ちょっと待って、あれは『壁の中身はなんでしょね?』をしていただけ?」
「もしそうじゃなきゃ壁の中に巨人ギッフェリ?」
「壁の中すべてに、巨人が・・・」

そこに、3つのありがたい壁をありがたがっていた黒いローブを着たおじさんが現れる。
彼はニック司祭と呼ばれている3つのありがたい壁をありがたがっていた黒いローブを着たおじさんだ。

そのありがたい司祭がハンジに告げる。

「あの巨人に日光を当てるな」
「何でもいい、光を遮るものを、、被せろ、、急げ・・・!」

アニは薬局のエチケット対策で黒いビニール袋に包まれ、さらにワイヤーでグルグル巻きにされてマルコたちの後ろをズリズリと引きずられていた。

……

………

ハンジとニック司祭は壁の上にいた。
おされなパッチワークで遮光カーテンを作り、"壁の中の巨人"がサンデーモーニングしている穴に被せてた。

ニック司祭は"壁の中の巨人"を住民が見たか気が気じゃなかった。
ありがたいことに戦闘後より今に至るまで付近の住民は遠ざけていた。完全に隠し通せたかは分からないが。

ハンジはニック司祭に"壁の中の巨人"について問うが、ニック司祭は回答を拒否する。

ニック「さあ、私を降ろせ」

ハンジは「いいですよ」と快諾し、ありがたいローブの胸ぐらを掴む。
「ここからでいいですか?」そう言ってニック司祭をネックハンギングツリーでぶら下げて問い詰める

調査兵団は人類のために、自由を取り戻すために、恐怖から解放されるために命がけで戦ってきた。
そのために多くの仲間が巨人に食われて死んでいった。
しかし、この"壁の中の巨人"ほど重要な情報は今まで得ることができなかった。
教団、そして王政によって秘匿されていた、この"壁の中の巨人"。
そう、これは人類の生存権に関わる重大な罪だ。

しかしニック司祭は悪意があったわけでも我が身可愛さに黙っていたわけではなかった。
そしてその証明のために、使命に殉ずる覚悟だ。

ハンジはニック司祭の顔を見て、その覚悟がモノホンだと悟り壁の上に投げ飛ばした。
「ねぇニック司祭?壁って全部巨人で出来てるの?」

そう言ったハンジは少し震えていた。

「いつのまにか忘れてたよ、、こんなの初めて壁の外に出たとき以来の感覚だ・・・」
「怖いなぁ・・・」

……

………

その頃、アルミン、ミカサ、ジャンはエレンの眠る部屋にいた。
アルミンはエレンの眠るベッドの上で体育座りをしていた。もちろん靴は揃えて脱いである。行儀が良い。

アニが巨人であったことが証明されたことにより、壁内に敵がいることが判明しそれによりエレンが王都に召集されることはなくなった。

ジャン「それどころじゃねぇよ。アニが女型の巨人で、眠り姫になっちまって、、壁の中にはずっと大型巨人がいました、、てか」

アルミン「少なくとも100年間立ちっぱなしだから、そろそろ散歩でもし出すと思うな、一斉に、、」

ジャン「アルミン!ブハッw お前今、プークスクス、冗談言ったのか!? ブホッw つまんねえよお前! ヒヒーン! さいこー!」

ミカサ「お黙り」

あの壁、ありがたい壁。継ぎ目のない壁、
あれは巨人の硬化能力で作られたのではないだろうか。アニが鉄より硬い水晶体になったように硬化能力の汎用性は高い。

今までどうやって作ったから分からなかったが、これで少し謎が解けたような気がする。
そして、壁内の人類は巨人に守られていた。

そこに調査兵団の兵士がアルミンを会議に呼びに来た。ミカサにも声がかかるが、ミカサはエレンの元に残ると言った。
アルミンはミカサに目くばせをして部屋を出て行った。ミカサはさっきよりエレンに近づいていた。

ミカサ、これは少年誌だよ。

エレンと調査兵団召集は保留となったが、今回の作戦が調査兵団の独断で実行されたことの是非を問う会議が行われていた。

壁内にいた壁破壊軍団のひとり、女型の巨人であるアニ・レオンはぁとを特定したことは評価できるが、同時に大きな犠牲を払ったことも事実だ。
しかし奴らを野放しにしておけば、再び壁が破壊され、街の一部の被害どころではなかったはずだ。

エルヴィン「奴らの一人を拘束しただけでも価値があると思います。一人残らず追い詰めましょう。壁の中に潜む敵を、すべて」

そこに調査兵団の少し気持ち悪いくちびるの形をしたトーマが駆け込んできた。
くちびる「大変です!ウォール・ローゼが!」

……

………

遡ること12時間前、104期兵はアニの共謀者の潜在を疑われ、ウォール・ローゼの南区で隔離されていた。
104期兵の中には上官からは「戦闘服も着るな」「訓練もするな」と命令され、ライナーはやきもきしていた。

しかも上官たちは壁内にも関わず完全装備だ。一体何と戦うつもりなのか。
その時サシャが ブロンクスステップのような地鳴りを耳にする。

同時にミケが焼きとうもろこしのような香ばしくも懐かしい匂いを探知する。
「くちびる!早馬に乗って報告しろ!」「恐らく104期兵調査兵団の中に巨人はいなかった・・・!」

南より巨人多数来週もお楽しみ!
ウォール・ローゼは、、突破された!

第9巻につづく

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