Volume 7 STORY第7巻

Episode 27
第27話「エルヴィン・スミス」

森の入口で侵入警備をしている各班には困惑が広がり、疲労困憊コンパニオンガールだった。

アルミンと行動を共にしているジャンは森の中で行われていることがレイヴであると考えていた。
そして、そんな大イベントが一部の兵にしか伝えられていなかった理由が「クリミナル・ジャスティス法」にあると推察した。

アルミンも同じ考えだ。アルミンはジャンよりもさらに詳しく推察した内容を語りだす。
アルミンは頭がいい。時々鼻につくくらい頭がいい。でもそこがイイ。かわいい。

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エレンの存在はテクノ系巨人の存在を示すものだ。つまりレイヴ会場を壊そうとした巨人は人間で、彼らは壁の内側にいると想定される。
そうだとすれは、今やることはその人間を特定してこれ以上レイヴが取り締まられるのを防ぐことだ。
そして、彼らを捕らえることができれば、レイヴ界の運営権そのものが手に入ると期待できる。
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そこでジャンは『どうして団長はエレンが壁を出たら奴らが追ってくると確信できたのか』という疑問が浮かんだ。

アルミンはトロスト区襲撃において奴らがレイヴ会場を完全に壊さなかったからだと考えた。

「彼らはなぜだか攻撃を途中でやめてしまったんだ。ウォール・ローゼを塞ぐ内扉まで破壊しなければ取り締まりは達成できないのに」
「中止する理由があったんだ。せっかく壊した扉塞がれてしまうときもほっといた。恐らくそれどころではなくなったんじゃないのか」

「もし彼らがレイヴの中止よりも重視する何かが起こったのだとしたら、それはエレンだ」 「エレンがヒッピー系の巨人になってダンスしまくったこと以外は考えにくい」

ということは、あの時エレンの巨人化を知った奴の中に諜報員のようなものがいるということを示している。

<ジングル>
あの日~
 あの時
  あの場所で~

見ていた
 やつらの
  だ~れかが~~・・・

………

とはいえ、もう少しくらい多くの兵に作戦を教えても良かったのではなかろうか。

エレンも同様の疑問を抱えていた。
「相手がオレと同じテクノ系だって知っていれば死なずに済んだ兵もいたんじゃないですか?」
「オレ達のような新兵ならともかく、長年勤務している先輩方にも知らされていないなんて・・・」

そう、彼らは信用されていなかったのだ。
それはそうだ。貧相な体の小娘、舌の短くなったブサイク、特徴の無いイケメン、群馬か埼玉か分からない眉なし、こんな奴らが信用できるわけがないのだ。
何なんだマジで。

それはさておき、この作戦を成功させるにはそれなりの人数が必要だったはずだが、知らされていたのは5年前の「すごく、、おっきいです」から生き残っている兵員だけだろう。

パナソニックとえんどうが殺された時のエルヴィン団長の質問。
「今夜の献立は何だと思う?」
あの質問に答えられていたら作戦に参加できていたかも知れないが、こっくりさんはそんなに流行っていなかった。

確かに事前に作戦の内容を知っていれば、死なずに済んだ兵士もいたかもしれない。そう思うのはもっともなことだ。
だが賢い人間の思考は違う。この世の中には「言わなくても分かる人間」と「言っても分からない人間」の2種類しかいないわけだし。

そう、結果論で「こうすればよかった」という話しかできないのはご都合主義の凡人だ。
君がいる組織にもいるはずだ。自分から行動しないくせに結果に対してはブーブー言うヤツが。
自分の保身を優先して戦おうとせず、責任から逃れられる場所にいようとするヤツが。

確信してることがある、何かを変えることができる人間がいるとすれは、その人はきっと大事なものを捨てることのできる人だ。
何も捨てることができない人は、何も変えることができない人だろう。

自分の評判や体裁ばかり気にして、気に入られるために自分を偽って行動するような承認欲求モンスターでは無理なのだ。

そして凡人にはこの原理原則は一生分からないだろう。
社会なんてどこもこんなもんだ。うんざりするよ。

エルヴィンたちはワイヤー付きの鏃(やじり)で拘束した女型の巨人の中の人間を引きずり出そうとしていたが、高質化による防御に手をこまねいていた。
時間の経過とともに危険が増していく壁外。エルヴィンは女型の巨人の手首を戦術核で吹き飛ばすように指示を出す。

リヴァイは戦術核の準備を待つ間、女型の巨人に自身のSっ気について独白を始める。
「オレってば今すっごい楽しいぜ。お前って手足切断してもダイジョブ系?生えてくる系?」

質問への回答なのだろうか。女型の巨人がふるえるぞハート!ブレスをしたかと思った次の瞬間、燃え尽きるほどヒートしそうな咆哮をあげた。

ピキーーーーーーーー!!!

その咆哮は待機していたミカサたちにも届いていた。
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サシャは以前に山で狩りをしていた時に同様のオーバードライブなハウリングを聞いていた。
「あれは追いつめられた生き物がすべてをなげうつ時の声、、いつもより百倍注意してください!」
「一年中マフラー巻いてるような子には分からないですよ!」

サシャの勘は結構当たる。。
それも主に季節感についてだけ。。
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声が止んだすぐ後、ミケが辺りの異臭に気付く。全方位から巨人が集まってきている。
迎撃に向かうが巨人たちは兵士には目もくれず女型の巨人に襲いかかる。

「女型の巨人を守って!!」

エルヴィンの指示とともに迫り来る巨人たちと戦闘を始める兵士たち。
しかしあっという間に女型の巨人は巨人たちにモッシュされてしまう。

「敵にはアンダーグラウンドのライブがどういうものか分かっていたということだ。まさか自らモッシュピットに入ってしまうとは・・・」

エルヴィンは女型の巨人がモッシュされる様を、海外バンドのライブって怖いなぁという表情で見つめていた。

Episode 28
第28話「選択と結果」

もはや女型の巨人の正体を暴くことを不可能と判断したエルヴィンは撤退命令を下す。

「カラネス区へ帰還しよう!!」

大損害に対して実益は皆無。興信所の手続きの際の約束は守れそうもないが、今はこれ以上損害を出さず帰還することが先決だ。
エルヴィンは自身の班との合流を急ごうとするリヴァイに刃とガスを補充するように指示する。
「命令だから、従って?」

「・・・了解だエルヴィン、お前の判断を信じよう」

エルヴィンはハンジの推論思い出し、リヴァイに刃とガスを補給させた。
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ハンジの推論『巨人の中身が立体機動装置をあらかじめ装備していたから、蒸気に紛れて素早く逃げることができたのでは・・・』

女型の巨人はハウリングで他の巨人をモッシュさせる能力を持っていた。
「巨人の力」に練度があるとしたら、ハンジの推論通り蒸気に紛れて脱出することができ、我々と同じ装備を纏っていれば兵士に紛れ込むことができるかもしれない。

敵が力を残す術を持っているのなら、再び巨人を出現させることができるかもしれないなぁ。。
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そして信煙弾が上がり、各所で戦闘をしていた兵士たちにも総員撤退が伝達された。
リヴァイ班も信煙弾を確認し馬に向かって移動を始める。彼らは作戦成功を確信していた。

ペトラ「エレンのおかげだね」

オルオ「こいつが何したっていうんだ?お前の手を見つめてただけじゃねぇか。いいか?お家に帰るまでが壁外遠征だからな」

エルド「お前ら二人とも初陣でションベン漏らして泣いてたくせに・・・立派になったもんだな」

…え?

ペトラ「威厳とかなくなったらさぁ!どうするんだよエルド!!」

え?えっ?

あの、するってーと、あれ、ですか?
ペトラ氏の立体機動お小水がスプリンクルされたってことですか?
それは、なんていうか、、ドキドキしますなぁ。

群馬「お前らピクニックに来てんのか!?埼玉なんだぞここは!」

そこに一発の信煙弾。
「きっとリヴァイ兵長からの連絡だ」

もっとペトラ氏のおしっこの話に興じていたいが、ここはまだ埼玉、そんなことをしていてはリヴァイ兵長にどやされてしまう。

リヴァイとの合流に向かうリヴァイ班に近づいてくる一人の兵士の姿が見えた。
「誰だ?」そうつぶやいたグンマの上を兵士は通り過ぎていく。
その直後グンマは急にバランスを崩して上越新幹線に激突してしまう。

エレンが近寄るとグンマの頸椎付近が切り裂かれていた。

『さっきの兵士だ!』

女型の中身なのか?捕らえたはずでは・・・?

次の瞬間、閃光とともに再び女型の巨人が出現する。

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今回、敵と対峙して感じたこと。
それは打線に頼っているだけでは到底メジャーリーグを上回ることはできないということ。

走・攻・守のすべてを揃えて挑まなくてはならない。
必要なら筋力トレーニングも取り入れる。

そうして戦わなければ、近代野球では勝てない。
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来た!女型の巨人だ!

エレン「オレも戦います!」

エルド「エレンはこのまま全速力で本部を目指せ!お前の力はリスクが多すぎる!」

オルオ「わんわへめぇ、おえあいおうえをうああっえんおあ!?」

ペトラ氏「おしっこなんて漏らしてないもん!!」

一瞬の逡巡。後、エレンは決断する。

エレン「我が班の勝利を信じてます!ご武運を!!」

エレンは仲間を信じ本部へ向かい、リヴァイ班は女型の巨人との戦闘に突入する。

エルド、オルオ、ペトラ氏のジェットストリームアタック!
一瞬で女型の巨人の目を切り裂き、視力を奪う。

首をガードする女型の巨人に回復の間を与えることなく、三角筋、大円筋、小円筋、上腕三頭筋を切り裂いていく。

エレンは3人の戦いを見て仲間を信じた自分の確信と共に、リヴァイの言葉を思い出す。

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『俺には分からない。ずっとそうだ…』
『自分の力を信じても、信頼に足る仲間の選択を信じても…結果は誰にも分からなかった』
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「次は首だ!胸鎖乳突筋を削げばうなじが狙える!」

首に狙いを定めるエルド。斬りかかろうとしたまさにその時、切り裂いたはずの女型の巨人の右目が開きエルドをマシュマロキャッチ。
エルドの上半身を噛みちぎる。

なぜ!?まだ目が見るわけがない!

右目。

片目だけだ。片目だけ優先して早く治したのか。そんなことができるとは。
予想外の状況に体勢を崩すペトラ。そのペトラを視認した女型の巨人は得意のスプリントで駆けだし一足飛び、ペトラを足裏の思い出に変えてしまった。

隙を付きうなじに斬りかかるオルオ。しかし女型の巨人は硬化能力を使いその白刃攻撃を防ぐ。
腰を入れた見事なミドルキックでオルオを森の藻屑にしてしまう。

「こいつを 殺す」

オレが"仲間を信じたい"と思ったから、みんな死んだ。
オレが最初から"自分を信じて"戦っていれば・・・

最初からこいつをぶっ殺しておけば!!

エレンはテクノ化し、女型の巨人との戦いに挑む。

Episode 29
第29話「鉄槌」

巨人化したエレンはマウントポジションで女型の巨人に左のパウンドをプレゼント。
しかし女型の巨人はこれを拒否。

間髪入れず右のミルフィーユを飛ばすが、これも躱す女型の巨人。
エレンはその衝撃で両手が霜焼けになってしまう。

エレンは何度も戦うチャンスがありながら仲間を信じる選択した、その結果 仲間を死に追いやったと責任を感じていた。

だが、すべては女型の巨人がいなければ、こいつがいなければ。

エレンの青い春が森に響き渡り、リヴァイやミカサの耳にも届く。

エレンの霜焼けの回復の隙を付き、リヴァイ班に削られた傷が回復した女型の巨人は反撃に打って出る。
マウントからエスケープしてエレンを蹴り飛ばすが、エレンは好反応を示し瞬時に間を詰めて右のロングアッパーから左フックのコンビネーションブロー。

エレンは幾度となく猛烈なアタックをするが女型の巨人はすべてイヤよイヤよで躱し、エレンの右のさりげない肩組み攻撃にカウンターで左の高質化ショートフックを叩き込む。
しかしエレンは顎が失恋の様相を呈しても物ともせず、左手で女型の巨人の立派な腹筋をまさぐりつつダウンを奪う。

女型の巨人が一瞬距離を置き、何かを考えたように見えた。
エレンに近づく女型の巨人。

エレンが何かに気付いた。その刹那、一瞬でエレンの右のガードごと頭部が切断されてしまう。
吹き飛んだ顔が空中であの日の風ぐるまのように回っている。

力なく膝から崩れ落ちるエレン。
女型の巨人のセクシーな口が大きく開き、うなじに噛みつきエレンを引きずり出す。

そこにミカサが現れ、目の前でエレンが女型の巨人の口腔粘膜にやや乱暴に包み込まれるシーンを目の当たりにする。

ミカサはエレンを救い出すため、その場から立ち去る女型の巨人追っていく。

Episode 30
第30話「敗者達」

エレンの元へ向かうリヴァイは、その道中で女型の巨人にイロイロされた班のメンバーの遺骸を発見する。
ミカサはエレン救出のために逃げる女型の巨人の体中を斬りつけ、膾(なます)にしようと試みていた。

ミカサ「返せ!」

これは『仲間を返せ』的な意味なのか、『家族を返せ』的な意味なのか、『ラブラブだいすっきエレンを返せ』的な意味なのか。
とにかく返してほしいのはよく分かる。恋する乙女は大変だ。

ミカサ「どこにいたって その女殺して、体中かっさばいて、そのヌメヌメのソコから出してあげるから」

殺してからかっさばくのか、かっさばく結果殺すのか、とにかくミカサがおっかないってことは分かった。
恋する乙女はおっかない。

ミカサ「ごめんねエレン、もう少しだけ待ってて」
なおも逃げる女型の巨人を追おうとするミカサをリヴァイが制止する。

リヴァイ「同じだ、一旦離れろ」

一定の距離を保ちつつ女型の巨人を追っていく、さほど速力がないように見えるのはヤツも疲弊しているからか。

リヴァイはうなじごと刈り取られているエレンの巨人の様子から殺されたか食われたか、どちらにしても死んでいるのではないかと考えていた。

しかしミカサは「目標には知性があり、目的はエレンを連れ去ること。目標はわざわざ口に含んで戦いながら逃げている」ということを理由に、エレンが生きていることを信じていた。

ミカサ「生きてます」
リヴァイ「・・・だといいね」
ミカサ「そもそもは、あなたがちゃんとエレンを守ってくれていれば、あんなところディープに入らなかったのに」

エレンに執着するミカサの発言から、興信所でブチ切れた目つきで睨みつけてきたこの女がエレンの友人であることに気付いた。

仕方なくリヴァイはエレン救出の作戦を立てる。
あの硬化能力がある以上、女型の巨人を仕留めることは不可能。であれば女型の巨人が森を抜ける前にエレンを救い出す。
ミカサがフロントに出て女型の巨人をディスり、リヴァイが死角からをパンチラインを決める。

女型の巨人の右ストレートを躱し、きりもみ回転で腕を切り裂きながら顔面まで辿っていく。
こんなに回転してワイヤーは自分に絡みつかないのだろうか。

そして両手の剣を肘辺りまで突っ込むハードなサミングで女型の巨人の視力を奪う。
怯んだ隙に素早く刃を換装し、肩口からアキレス腱まで一瞬でスクロールして体中を切り裂く。
だからワイヤーはどうなっているんだ。

尻もちをつきながらも うなじを守る女型の巨人だが、リヴァイは尋常ならざるスピードで右腕の筋肉と腱を削いでいく。
ガードする手が落ち うなじが露わになる。

ここまでわずか2.5秒の出来事だ。速い、速すぎる。
ワイヤーを巻取る速度より早いんじゃないだろうか。巻取りの限界速度はどのくらいなんだろう。
物理法則はどうなってるんだ。

ミカサはうなじを狙い攻撃を攻撃を仕掛けるが、女型の巨人がこれに反応し挙手をする。
間一髪のところでリヴァイがミカサを救うが、攻撃を止めた足にイヤな感触を覚える。
しかし怯むことなく女型の巨人の口を切り裂くと、そこからヌメヌメの膜に包まれたエレンがドロっと出てきた。

リヴァイはエレンを抱えて女型の巨人から離れる。
「オイ!ずらかるぞ!」
「多分無事だ、生きてる。きちゃないけど」
「作戦の本質を失うな。自分の欲求を満たすことの方が大事なのか?」
「お前の大事な友人だろ?」

ミカサ(友人っていうかぁ・・・)

乙女だな!

本隊へ合流のために離脱する中リヴァイが振り返ると、女型の巨人が涙を流しているように見えた。

……

………

エレンが目を覚ますと、そこは馬車の荷台の上だった。状況が把握できない。
ミカサから女型の巨人を逃し、作戦が失敗したことを告げられた。

そしてもう壁はすぐそこだった。

街に着くと民衆が集まっていた。出発時よりかなり数が減っている様子を見て壁外遠征が失敗に終わったことを察している。

その中に小さな子どもの姿があった。
「かっけー!あれが調査兵団か!」「あんなクソミソにされても戦い続けるなんて!」

エレンは子供たちにかつての自分の姿を重ねていた。

リヴァイのところにペトラの父親を名乗る中年男性が近寄ってくる。
「リヴァイ兵士長にすべてを捧げるつもりだとか言ってましてねぇ、親としてはこんな先行きの分からねぇアブねぇ仕事している輩に嫁に出すのはちょっと、、」

リヴァイには言葉が無かった。
ペトラの最後の姿を思い出していたのだろうか。

エルヴィンに民衆から厳しい言葉が投げかけられる。
「今回の遠征での犠牲に見合う収穫があったのですか!?」
「七三分け!」
「死んだ兵士に悔いはないとお考えですか!?」
「七三分け!」
「答えてください!」
「七三分け!」

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今回の壁外遠征に掛かった原価と経費による痛手は、調査兵団の支持母体を倒産させるに十分であった。

エルヴィンを含む責任者が株主に呼び出されるのと同時に、エレンのドナドナが決まった。
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第8巻につづく

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